『ブッダ 最期のことば』 2015年4月 (100分 de 名著)佐々木閑著

わかりやすく、そして深い。
NHK Eテレ 100分de名著4月号のテキストが出ていた。
著者はおなじみの佐々木閑先生
読み始めたら、一気に読めた本。
 限られた頁数の中で、仏教の歴史的な変遷、仏教の基本的な教え、そして、これは思いもよらなかったことだが、組織論まで実にわかりやすく纏められている。読みながら、自然に頭の中が整理されていく感じが心地よい。
釈迦の仏教に対する、作者の深い敬愛と信頼が読み取れ、だからと言って、大乗仏教を批判することなく、理解を示している公平な視点には、非常に好感が持てた。
そして、最後に書かれていた、これからの仏教を「こころ教」と名付けられた点は慧眼であり、自分自身の立ち位置を確認するきっかけともなった。良書である。